暗殺の理不尽
- 2008/11/10(月) 11:25:48
わが国での暗殺の歴史は古く、『大化の改新』は日本最初の暗殺の記録ではないかと思われる。それ以前の暗殺の記録は見たことがない。大化の改新とは、中大兄皇子(なかのおおえのみこ・後の天智天皇)と中臣鎌足(なかとみのかまたり・後の藤原鎌足)らが計って蘇我入鹿を暗殺した事件であった。恐らく、これがわが国での暗殺の始まりだったのではないだろうか。
蘇我家は天皇家に代々仕える筆頭の実力家系で、先祖に稲目(いなめ)を擁し、祖父は馬子(うまこ)で、父は蝦夷(えみし)、そして本人の代に至る。天皇家に大臣として仕え、権勢をほしいままにしてきた。蘇我家以外の人々の目には、入鹿が天皇に取って代わろうとしているかのように見え、そうした疑心暗鬼がこの暗殺事件を惹き起こしたと思われる。
こうした暗殺事件は後を絶たず、近年、わが国の歴代総理で暗殺された人の名前を挙げてみると、伊藤博文(1841〜1909)、原敬(1856〜1921)、浜口雄幸(1870〜1931)、犬養毅(1855〜1932)、等々である。
では、米国はどうか、近年の暗殺された大統領として直ぐ私の頭に浮かぶのは、エイブラハム・リンカーン(1809.2.12〜1865.4.15)とジョン・ケネディ(1917.5.29〜1963.11.22)である。
リンカーンはアメリカの奴隷制度を無くすために戦った人として、多くの人に尊敬されてきた。
一方、ケネディについては、アメリカの民主主義の旗手として大きな期待を集めた。だが、凶弾に倒れて死亡した後、彼の艶聞が広まり、また彼の細君がギリシャの海運王と再婚するなどで、ケネディ夫妻には騙されたような気がしたものである。
いままで米国の大統領に黒人が就任したことはない。挑戦した人もいなかったのではなかろうか。オバマ氏はこれに挑戦し、見事大統領に当選し、来年1月に就任することに決まった。しかし、いわば半分黒人のオバマ氏は、白人至上主義者から命をつけ狙われる。暗殺される懸念の声は大きい。大統領選勝利の演説は防弾ガラスの囲いの中で行われたという。オバマ氏は民主党の大統領候補に指名される前から、身辺警護される身であった。
オバマ氏は、今後更に黒人蔑視とも戦って行かなければならない。そういう意味で、米国は、自由と平等の国に程遠く、不健康な病んだ国である。病を治し、健康な国にすることは容易ではない。
米国の国民はオバマ氏に対し、自由と平等の、そして何より平和を愛する国づくりを期待している。私たちもオバマ氏の活躍に今後注目しているので、大いに期待に応えていただきたい。
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